2013年10月18日金曜日

くまっちゃん祭り!

10月13日に
高知県香美市物部町で開催された
第二回くまっちゃん祭りの模様です。

一緒に行っていたMさんのコラムです。

とても素敵なコラムだったので
皆さんとシェアしたいと思います。


宮城や山形の田舎は知っていましたが、限界集落は初めて。
これ県道なん?!て疑いたくなるような物部川沿いの断崖絶壁の峠道をクネクネ走って行くと見えてきた山間の集落。至る所に野良柚子の木が生えていて、たわわな青い球体を真青な空の下で揺らしている。
最後に見たコンビニからはゆうに40分は過ぎている。

川の水音しか聞こえない、山に抱かれる様な形で、目指す会場の旧久保小学校があった。
昭和28年創立の、三階建て木造建築。
校庭には地元のおじいさんやおばあさんがシュロ箒やわらじの編み方を教えるために来ており、廃校となった校舎では顔の見える野菜やプリミティヴな人間関係、大自然の中で生活出来ることの感謝と憧れをもって移住してきた若い世代が、昔ながらの保存食や天然酵母のパンを販売していた。

竹竿作成教室で作ったシンプルな釣竿で、裏にある川でアメゴを釣ってきた中学生や、その釣果を二歳児が丸々とした仔犬にちょっかいを出されながらも懸命に捕まえて捌く母親に手渡そうとしている光景は、テレビでしか見たことのないものだった。

自分が経験していないのに何処か懐かしく感じる事が非常に不思議で更に段々と不快に感じ、テレビやネットで共有したバーチャルな、一方的にインプットされた情報が、私には残念で仕方がなかった
もし、何も知らずにこの場所に来たら、もっと違う新鮮な感動があったに違いない。
懐かしいと思う時点でおかしい。出来れば真っ新な気持ちで向き合いたかった。

とはいえ、山に守られ山を守る生活をリアルでしている方々の話を聞き、雑音が存在しない川を眺め、カマキリやバッタが頭目掛けて飛んでくるシチュエーションにも慣れた頃には街に戻る時間となった。

柔らかい時間とさよならし、また峠道を帰る。横では華ちゃんが田舎に帰りたそうな話をしている。私の田舎は?私には田舎なんて存在しない。実家は都会にあるし、普遍性なんかない、目まぐるしく環境が変わるような場所だ。
まさかこんな年齢で自分のルーツ探しをすることになろうとは思わなかった。
箇条書きにしか出来ない人生は果たして幸せなんだろうか?

移住してきた人たちは、自分の人生の根っこをここにドン!と植える為に来たんだなと思うと、羨ましくもあり、その決断力に感動さえする。



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